英会話講師の多くは長期留学を経験しています。日本に帰国して英語を話す機会が失われると、徐々に会話スキルも落ちていくのです。これでは講師としての商売道具を失うことになるため、講師自身も皆さんと同じように英語の勉強を欠かさないんですね。そんな英語講師に聞いた英語を忘れないためにしている習慣を紹介します。
目次
習慣①.聞き流さない
聞き流すだけの英語学習法は有名ですが、本当にそれだけでリスニング力は伸びるでしょうか?私は「NO!」と考えています。なぜなら、英語を聞き流して得られるのは「リスニング力」ではなくて、「リスニングを伸ばす土台」だからです。
例えば、「洋楽が好きな人は、リスニング力アップも早い」と言います。これは本当で、「英語に慣れる=脳が英語を拒絶しない」となるからです。
しかし、あくまでもリスニング力アップの土台ができているだけなので、その後に本格的な練習を積まなければ、「上達なし」となるのです。
もちろん、本当に聞き流すだけでリスニングが伸びたと言う人もいます。
実は、そうした人は「聞き流していない」のです。必死で練習するあまり、無意識のうちに「内容をしっかりと理解しようとしている」というだけなんですね。
だからこそ、講師は聞き流し練習をしません。すでに英語脳は出来ているため、英語脳を身に付けるための聞き流しには何のメリットもないことを知っているのです。
習慣②練習量を大事にする
筋トレには「それ以上やっても無駄」という限界値があります。短期間で多くの練習量をこなしても、限度を超えれば効果は出ないのです。しかし、英語のリスニング練習には限界値がありません。やればやるだけ上達を実感できる世界でもあるんですね。
それでぇあ、一般的な日本人が英語のリスニングに問題を感じなくなるまで、果たしてどの程度の練習量が必要だと思いますか?言語学者の一致した見解として、「3000時間は必要」と言われています。
毎日1時間の練習をこなしても、「3000日=約8年3ヶ月」という計算になることが分かります。
しかし、多くの英語学習者の方は、「確実に毎日1時間の練習をしているとは言えない」という状況なんですよ。当然、これでは圧倒的に「練習不足」と言わざるを得ません。
もちろん、3000時間は「あらゆる分野の英語を聞き取れる」というレベルに達する練習量です。「簡単な日常会話だけ」という程度であればもっと早く身に付けられるでしょう。それでも、皆さんが想像される以上に、日本人の英語学習における「リスニング練習不足」は深刻だと考えて下さい。
講師はそれを知っているため、出来るだけ多くの練習量を確保しようとします。英語のテレビやラジオ、ネットニュースなど、日常生活の中で得られる情報の半分以上を英語で仕入れているのです。こうすることでリスニング能力が衰えることなく、さらに難しい分野の英語リスニングも鍛えようとしているんですね。
習慣③生活情報を英語で仕入れる
英語のリスニングに関しては、最初はリスニング教材で練習するべきです。日本語の答えも記載されていますし、リスニングが伸びるための様々な工夫が学習をアシストしてくれるためです。
しかし、教材でのリスニング練習に「物足りなさ」を感じれば、その時は「実戦練習」をしておきましょう。
私たちは、日々の生活の中で色々な情報を入手します。テレビを観ればその日のニュースを知ることが出来ますし、雑誌を購入すれば芸能ニュースなども仕入れる事が出来るでしょう。このように、教材を使わずに自然と仕入れられる情報(生活情報)を、ぜひ英語で行って下さい。
テレビでも二カ国語放送を利用すれば無料で英語情報をゲットできますし、雑誌でも一部をネットで無料購読することが可能です。
また、現在はiPhoneのみのアプリですが、「NHKワールド」というものがあります。このアプリは、「日本のニュースを英語で発信している」というものであり、もともとは日本在住の外国人向けに開発されたのです。
しかし、日本のニュースを英語で視聴できる貴重なアプリとして、英語学習者の中でも人気の高いものになっています。
このように、リスニング教材を使うことなく、いわゆる「生活情報」を英語でゲットすることが上級者への道と言えるでしょう。
「教材のみ」が初心者レベルであれば、半分半分が中級者レベルでしょう。そして上級者になるほどに教材を使う頻度が低くなり、最終的に「教材なし」のレベルを目指して下さい!
習慣④格安のレッスンを受ける
英語講師にも様々な種類があります。「英会話を中心にしている」という講師もいれば、「会話ではなく、資格系を教えています」という講師もいますね。
英会話を教える講師であれば、比較的アメリカ人やイギリス人などの友人も多いため、ごく普通に友人と接しているのでリスニングにも問題ありません。
一方、「多少の会話は出来るものの、資格系なので外国人の友人がいない」という講師も多いのです。
しかし、英語講師を名乗る以上は「講師=会話が出来る」という図式を壊したくないのが講師としての本音です。
そこで、そのような講師の場合、格安のレッスンに通っておられる方がいるのです。基本的にはオンライン英会話を利用して英語ネイティブとの会話をしているのですが、英会話カフェを利用する方法もありますよ。
地方都市ではあまり見かけませんが、大都市部では「スクールのように教えてくれないが、日本人に聞こえやすい英語で会話をしてくれる」というサービスがあるのです。このようなサービスを総称して「英会話カフェ」と呼ぶことが多いのですが、ぜひ一度、お住まいの地域に英会話カフェがあるかを確認しておきましょう。
教材やネットニュースでもリスニングが伸びますが、やはり「人間を目の前にして英語を聞く」という練習も効果的ですからね!
習慣⑤単語力を上げる
「英語のニュースを聞いても分からない…」という方は多いと思いますが、なぜ分からないのでしょうか?
理由は2つあります。1つは「ネイティブのスピードについて行けていない」という点です。これに関しては、練習を重ねることでスピードに慣れ、身に付いたスピード感で対処することが出来るでしょう。
一方、「分からない…」と答える方の多くは、実は「単語力不足」なのです。よく考えれば当然ですね。単語が分からないから「何を言っているのか分からない…」になるのです。そのため、リスニング練習と単語練習は一見すると相反するようですが、そこには「深い関係性」があるのです。
その場合は、「多読」によって対処するようにしておきましょう。しかも、出来ればニュースを多読するようにしてください。
ニュースには様々なジャンルがありますが、まずは最も伸ばしたいジャンルに的を絞って、そのニュースを徹底的に読むようにしておきましょう。そして、その時は必ず「単語の意味を調べられるツール」を横に置いて下さい。紙媒体の辞書でも構いませんし、電子辞書でもOKです。また、スマホで英語ニュースを読む場合は、別のブラウザでオンライン辞書を立ち上げておけば便利ですね。
このようにして単語力を鍛えておけば、ネイティブのスピード感に戸惑いながらも、「今の単語は知っている!」という実感を得ることになります。
あとは、スピード感を身に付けることで聞き取った単語を頭の中で瞬間的に組み立て、筋の通る日本語の訳を想像できるようになって下さい。
単語の練習は地味な作業であるため、普通に単語帳で勉強しても飽きるだけです。だからこそ、「ニュースを読む」で「情報をゲットする」という付加価値を付け加え、飽きやすい単語練習に工夫を加えることが大切なのです。
習慣⑥いつでも聞ける環境を整える
これは非常に重要です。たとえば、テレビを観ていて「つまらないなぁ…」と思うことがありますよね?「じゃあ、英語のニュースでも観ようかな♪」と思っても、「パソコンを立ち上げる→英語のニュースサイトにアクセス」など、この「チョットした手間」が以外と面倒なのです。
「それくらいやれよ…」と言われればそれまでですが、上記の状況はリスニング練習をしようと思っているわけではありません。あくまでも、「テレビが退屈だから、他のメディアを楽しみたい!」と思っているのです。
つまり、「よ~し!やるぞ!」と気合を入れているわけではないため、たとえチョットした手間でも面倒に感じてしまうものなのです。
したがって、「思い立ったらすぐに聞ける環境を整えること」が大切なのです。私の場合、スマホにお気に入りのニュースサイトをいくつかブックマークしています。また、タップすればすぐに立ち上がるニュースアプリ(BBC、CNN、ABC)を入れており、ヒマになれば携帯をいじって英語のニュースを聞いているのです。
パソコンであれば、そのニュースのURLをお気に入り登録しておき、ブラウザを立ち上げるとすぐにページにアクセスできるようにしておきましょう。
ちなみに…
私は大の犬好きなのですが、「Dogs101」というYouTubeの動画は面白いですよ。色んなワンちゃんの性格や育て方などが解説されており、日本の柴犬も登場します。
ニュースサイトではありませんが、このような動画もリスニング練習になりますし、興味のある分野のコンテンツを皆さん自身で探してみるのも面白いでしょう。
習慣⑦洋画はリスニング練習になりにくい
「洋画はリスニングの勉強になりますか?」との質問も多く受けますが、私は個人的に洋画をリスニング練習のツールとしてオススメしていません。その根拠は以下の2点です。
①意訳されている事が多い
洋画はエンターテイメントです。リスニングの練習向けに作られたものではありません。したがって、「英語のセリフの長さに合うよう、日本語が意訳されている」というケースが非常に多いのです。
中には、「英語のセリフと全く違う…」というケースもあるため、それをそのまま覚えるのは危険です。
また、日本語と英語は正反対の言語です。「理由→結果」が日本語の自然な流れであるなら、英語では「結果→理由」と反対になってしまうのです。その事を考えても、洋画が優れたリスニング教材になるとは言えない事が分かるでしょう。
②使うべきではない表現も含まれている
こちらも危険です。私たちは日本人なので、「使うべきではない日本語」は分かります。しかし英語ネイティブではないため、「それは失礼のない表現なのか?」が分かりません。
仮に、使うべきではない表現を使ってしまったら、「この人は何を言っているんだ…」となるでしょう。また最近では、「日本人は英語が話せないので、その程度の事は多めに見よう」と考えてくれる英語ネイティブは少ないのです。
というのも、「英語=世界の共用語」であるため、日本人に対しても「それが失礼な表現かどうか知っておくべき」が求められるのです。
以上の2点を考慮すると、「洋画はリスニング練習に使ってはいけない」とまでは言いませんが、決してオススメ出来る練習法ではない事が分かります。ただし、あくまでも「洋画が好きだから観る」はOKですよ。「リスニング練習をしているので、好きな洋画を我慢します!」と考える必要はないでしょう。
まとめ
いかがでしょうか?急ぎ足で解説して来ましたが、上記の解説の全てを守って欲しいとは言いません。
しかし、どれか1つでもクセ付けておけば、必ず皆さんのリスニング練習に何かしらの変化が現れると思います。
リスニング練習は、一夜漬けが出来ない学習でもあります。あくまでも「継続して行う」が大切なのですが、上記の解説を参考に、ぜひ長い目で自分自身のリスニング能力をアップさせてみましょう!
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