現役の英語講師から見たココが変だよ日本の英語教育7の間違い



英語講師は英語を教える職業です。しかし、週に1回のレッスン程度では、「圧倒的に勉強不足」となるのです。特に英会話においては、「週に1回のレッスンだけで、残りの時間の全てを日本語で過ごしている」という人も多いでしょう。

これでは「練習不足」どころか、「練習していないのと同じ」であるため、決して満足のいく上達を実感することは出来ないでしょう。

また、折角時間を見つけて、一生懸命勉強をしていても、「その勉強方法はチョット…」「大きく間違ってはいないが、こうすればもっと良いのに…」という「惜しい!」もよくあります。

そこで、私がこれまでに経験した「それはチョット…」や「惜しい!」と思う勉強方法を紹介していきましょう。上達に行き詰まりを感じているのであれば、ここで紹介する方法の中にヒントが隠されているかもしれませんよ!

 

それはチョット1.単語帳だけで…

 

英語学習で「単語力を鍛える」は非常に重要です。文法力や読解力がなくても、単語力さえあれば「ある程度の英文」を読んで理解しやすいためです(単語力だけでは限界もありますが…)。

したがって、「単語力を徹底的に鍛える」という方も多いと思いますが、私は個人的に、「単語帳のみで勉強する」という方法をオススメしていません。その根拠を解説していきましょう。

短期間で多くの単語を覚える手法として、たしかに単語帳は有利かもしれません。しかし、この方法が有効なのは「大学受験まで」というケースが圧倒的に多いのです。

その理由は、「テストで単語の問題も出るから」という点にあります。一方、社会人になって「単語のテスト」を受けるのでしょうか?会社から毎週のようにプリントが配布され、「この単語の意味は?」というテストは受けませんよね?

したがって、「テストのための単語練習」は必要ない事になります。一方、単語帳による勉強は、まさに「テストのための勉強」と言えるため、社会人に大きなメリットを与えてくれることはないのです。

そこで、「多読による単語力アップ」を目指しておきましょう。スマホユーザであれば英語ニュースのアプリを利用しても良いですし、自宅のパソコンで閲覧しても良いでしょう。そして、大切なのは「辞書などを目の前に用意しておく」なのです。

単語の意味を知らないまま記事を読んでも、単語力アップは期待できません。「分からない単語はその場で調べる」を心がけることが大切なのです。

 

それはチョット2.その場で調べる

 

たとえば、目の前に英語の記事があるとします。そして「分からない単語」が出てきました。英語の記事に関しては、重要語句さえ理解していれば、基本的にはそれ以外の単語を知らなくても理解できます。

しかし、これでは読解力は上がるものの、単語力のアップにはつながりません。英語の記事は立派な勉強ツールです。つまり、「読解力と単語力の両方を鍛える」の方がお得ですよね?

だからこそ、まずはニュースの内容を理解して、その後で分からない単語やイディオムを辞書で調べるようにしておきましょう。

ところが…

「まぁ、後で調べたら良いか…♪」

このように考える方が非常に多いのです。しかも、そのほとんどが「後になっても調べない」という方々であり、結局は「調べないまま終わっている」という状況になります。

だからこそ、「その場で調べる」というクセを付けておきましょう。パソコンで英語の記事を読む場合は、別のブラウザでオンライン辞書を開いておくか、あるいは電子辞書などを用意しておきましょう。

一方、スマホのアプリを利用する場合も、辞書を用意しておくか、あるいはブラウザで辞書を開いておけば良いと思います。

「その場で調べる」は、一度クセになると苦を感じることなく調べることが出来ます。分からない部分を後回しにするのではなく、「その場で調べる」はシッカリとクセづけるようにしておきましょう。

 

それはチョット3.予習と初見の両方を用意する

 

たとえばTOEICの講座を受講するとします。講師から問題集などが配布され、自宅で予習や復習をしますよね?

忙しいこともあると思いますが、出来ればシッカリと予習や復習をした方が良いに決まっています。

しかし…

特にTOEICや英検の勉強に関しては、「予習と復習だけよりも、初見でやることも大切」となります。

というのも、TOEICや英検では「英語力だけでなく、理論(コツ)も勉強する」という特徴があるのです。そのような理論は、「予習や復習でしっかりと身に付けることが重要」となります。

ところが、身に付けるだけではダメです。身に付けた理論を、「本番のテストで自由自在に使える」というレベルに自分を高めてこそ意味があるのです。

では、どうすれば自由自在に使えるレベルに自分を高めることが出来るのでしょうか?

それこそ「初見による学習」なのです。予習や復習が「理論を身に付ける作業」だとすれば、初見による学習こそ「使えるかどうかチェックする」という作業に相当します。

したがって、出来れば定期的に問題集などを購入して、初見による学習を多く行うようにしておきましょう。スクールに通っておられる方であれば、講師やスタッフにお願いして問題集を用意してもらって下さい。

独学の方であれば、問題集を本屋さんで購入する方法が良いでしょう。多少の出費にはなりますが、書籍でも「模試3回分」程度のボリュームで2000円くらいです。スクールに通った場合の1レッスン程度の出費ですので、ケチらずに「自己投資だ!」と割り切ることが大切です。

このように、予習や復習で理論を身に付け、初見による学習で「自分のレベルをチェックする」という2段階の学習が効果的なのです。一方、それをしていない方が多いのも事実であり、これでは本番のテストで勉強してきたことが発揮できるかどうか、全くの未知数になってしまいます。

しかも、初見による学習は「やり込み」にもなりますので、その分だけ英語力のアップも見込めます。

予習と復習の重要性を理解している人は多いですが、実は初見による学習にも大きなメリットが隠されています。ぜひ、これを理解して「2段階の学習」を目指すようにしておきましょう。

 

それはチョット4.「予習をしないのは経済的に損をしている」

 

私も多くの生徒さんを抱える講師の1人ですが、「予習してくる生徒さん」と「全くしてこない生徒さん」の2パターンに分かれます。

もちろん、予習は生徒さんに強制できるものではありません。生徒さん自身の予定もあるでしょうし、サラリーマンの方であれば、お仕事の関係で勉強時間を確保できないこともあるためです。

しかし、「面倒だからやらない」ではダメです。これは、「やった方が良い!」という根性論で言っているのではなく、「経済的に損をしている」という点からも予習は行うべきなんですね。

たとえばプライベートレッスンの場合、予習を全くしてこなければ1レッスンで教えられる問題数も限られてきます。ゼロからのレッスンになるため、1つ1つを丁寧に教える必要があるためです。

一方、予習をしている場合は、生徒さんの頭の中にすでに予備知識が入っています。つまり、「ここに関しては時間をかけて教える必要はない。なぜなら、すでに理解しているから」となるため、1レッスンで消化できる問題数に大きな差が生まれてしまうんですよ。

たとえばTOEICのパート5を教えている場合、予習なしの生徒さんでは、少ない方で1レッスンに「7~10問程度」が精一杯です。しかし、同じ生徒さんでも予習をしている場合は倍以上もの問題数を消化できるのです。

つまり、同じレッスン料を支払いながら「費用対効果は2倍」となり、支払った分を取り戻すに十分だと言えますよね?

英語のレッスンは、物理的に存在している商品を売っているわけではありません。講師の知識を売る商売です。

物理的な原価は存在しないため、「どれだけ売っても一緒」となるのです。別の言葉で言いかえれば、「英語のレッスンは食べ放題のレストラン」と同じです。ならば、お腹一杯に食べた方が得だと思いませんか?

皆さんも、このような観点で今後は予習をするようにして下さい。特に、これまで予習をしていなかった人であれば、「経済的に得だから」と考えて予習をすれば良いですね。意外と「予習クセ」が身に付くかもしれませんよ!

 

それはチョット5.「自己満足の英作は絶対にダメ!」

 

英語の勉強方法の1つに「英作練習」があります。日本語の短文を英語の文章に訳す作業ですが、「単語力+文法力」の両方を鍛えるに極めて効果的な方法だと言えます。

しかも、「単語を覚えるのではなく、覚えた単語を使いこなす」という作業であるため、「単語の意味しか理解していない(使えない)」というデメリットを解消する効果もあります。

そのため、私はスカイプなどを使い、オンラインで英作のレッスンを行っているのですが、英作練習をする場合は、必ず「添削してくれる人」を確保しておきましょう。

添削は、上記のとおりメリットが多いのですが、「英語を作ってもチェックしてくれる人がいなければ意味がない」となってしまうのです。しかも決まった答えが存在しているわけではないため、答えを見て自分で答え合わせをすることも出来ません。もちろん、「合っているかどうか自分では分からない」となるのです。

これでは、せっかく練習をしても単なる「自己満足」です。自己満足的な勉強は「やった気分」にはなれますが、レベルアップすることはありません。

そこで、ネット上で「英語 添削」などと検索してみましょう。最近では英作練習の需要が高まっていることもあり、オンラインや郵送で添削サービスを展開する企業が多く出てきています。

こうしておけば自己満足になることはなく、「やった分だけ伸びる」という本来の目的を達成することが可能でしょう。

ちなみに、「どの添削サービスを受けるべきか…?」で悩まれる方も多いと思いますが、その場合は「無料体験」などで複数のサービスに応募しておきましょう。その中から、今の自分のレベルで「最も説得力を感じるサービス」を選んでおけばOKですよ!

 

それはチョット6.洋画は英語学習に危険!?

 

英語学習は、出来れば楽しく行いたいものです。長く続けてこそ上達するスキルであるため、楽しくないと長続きしにくいのです。

そこで、「字幕を見て洋画を楽しみながら、英語のリスニングを鍛えています」という方も多いと思いますが、その方法に終始するのはチョット危険ですよ!

もちろん、「ダメです!」と言うつもりはありません。しかし、そもそも洋画は勉強ツールではないのです。エンターテイメントであるため、英語学習者をターゲットとして作られているわけではないのです。

そのため、「英語のセリフの尺(長さ)に合うよう、日本語が意訳されている」や、「自然な日本語になるよう、日本語のセリフと英語のセリフの順番が逆になっている」ということが多々あります。

たとえば、日本語は「理由→結果」で話す習慣があります。「風邪をひいたので(理由)、学校を休みます(結果)」という感じですね。一方、自然な英語ではこの順番が逆になるのです。「学校を休みます。なぜなら風邪をひいたので」という感じでしょう。

このような「自然な言語」として辻褄(つじつま)を合わせるため、英語のセリフの意味にドンピシャに合う日本語字幕が付いているとは限りません。

さらに、「ビジネスはもちろん、プライベートでも使うべきではないスラング」も出てくるため、そのまま覚えれば「無意識のうちにマナー違反を犯す」という危険もあるでしょう。

なぜなら、私たちはその英語が「使うべきではない表現」かどうか分かりません。聞いたことをそのまま覚えているだけなのです。しかし、それはこちらの事情であり、その英語を聞いた(見た)英語ネイティブは嫌な思いをすることになります。特にビジネスにおいては危険と言えますね。

このように、洋画を見ることは良いのですが、聞いたり見たりしたことをそのまま覚え、使うことには危険が伴います。そのことを理解した上で、洋画を楽しむようにして下さい。

実際、洋画をメインに英語を勉強した生徒さんを担当したことがありますが、ラッパーが使うような「ヨーヨー英語」で固まっており、それを直すのに苦労しましたから…(笑)

 

それはチョット7.「その理解は勘違いかも…」

 

これは私も講師としてよく経験するのですが、生徒さんの中には「気を使う人」も多くおられます。まぁ、日本人らしい優しさかもしれませんが、レッスンではもっと「ガツガツ食いついてくる」ということも大切ですよ。

というのも、「はい!はい!」と返事は良いのですが、「じつは理解していない…」という方が非常に多いのです。グループレッスンであれば他の生徒さんもいるため、レッスン中に自分だけ質問することは難しいかもしれません。

しかし、プライベートレッスンであるにもかかわらず、「分かったフリ」をしているんですね。

さらにその場では理解しても、「頭に入ってきた情報を上手く整理できていない」という生徒さんも非常に多いのです。

せっかくレッスンを受けるからには、「教えられたことを完璧に理解する」ということが大切です。その方がレッスン料を支払う価値もありますし、「レッスンを受ける→理解していない」ではお金をドブに捨てているようなものですから。

一方、「ガツガツ食いついてくる生徒さん」の場合、「おやっ?今のは理解に難しいぞ…」と感じた瞬間、「先生!もう1回説明して!」と言ってきます。講師としてはとても助かりますね。生徒さんが理解していない部分を把握するのも講師の仕事の1つですが、上手く分かったフリをされると見抜くことが出来ないのです。

ところが、ガツガツ系の生徒さんの場合、「先生!ちょっと待って下さい!今のノートに書きますから!」や「先生!ちょっと聞いて!今のを自分の言葉で言ってみますから!」などと言ってくるため、レッスンを受けてインプットした情報を、その場で整理することになるのです。

そこで、私がレッスンをする場合、時々「じゃあ、今のを自分の言葉でもう一度説明して下さい!」と生徒さんに言います。すると、情報を整理できていない生徒さんの場合、ちょっとした情報でも自分の言葉で言えず、その場で黙り込んでしまうのです。

その場合は何度もヒントを出しながら自分の言葉で説明させ、完璧に説明できるようになるまで何度も繰り返します。

時間のかかる作業ですし、毎回これをやっているとなかなかレッスンが前に進みません。しかし、理解もせずに前に進むほど、お金を無駄に支払うことはありません。

ならば進むスピードが遅くても、「一歩一歩、確実に」を私は大切にしているのです。

皆さんも、レッスンや独学で勉強した場合、その日に勉強したことの概要や重要な部分を自分の言葉で復唱するようにして下さい。

「私はこの問題で答えに詰まった。答えを見るとこうだった」

と確認したら、その内容を記憶が新しいうちに復唱するクセを付けて下さい。こうすることで、インプットした情報をその場で定着できるようになるため、時間はかかりますが「確実な勉強」へとつながるのです。

 

いかがでしょうか?単純な勉強方法だけでなく、「物の考え方」や「レッスンを受ける場合の注意点」など、いくつかの点を解説してきました。

上記のどれか1つでも良いので、「なるほど~!それは盲点だった!」と実感して頂ければ幸いです。そして、ぜひその盲点を今後の皆さんの学習に役立て、効率良く上達することを目指して下さい!

 

この記事の著者:小林達也さん 東京都在住の英語講師

 

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