私は英語講師をしています。これまでに経験した「それはチョット…」や「惜しい!」と思う勉強方法を紹介していきましょう。上達に行き詰まりを感じているのであれば、ここで紹介する方法がきっかけになれば嬉しいです。英語楽しんでくださいね!
目次
1.単語帳だけだとテストの為の勉強法になりがち
英語の単語力を鍛えるための勉強法は、単語帳を利用してひたすら単語を覚えるものがありますよね。
短期間で多くの単語を覚える手法として、たしかに単語帳は有利な勉強法ですが、この方法が有効なのは、高校受験までというケースが圧倒的に多いのです。
単語力だけでは限界があるんです。日本語に置き換えるとよく理解できると思います。単語帳を使った勉強法が流行るのは「テストで単語の問題も出るから」という点にあります。
おすすめ勉強法:単語帳+英語ニュースアプリを併用する
そこで、「多読による単語力アップ」を目指しておきましょう。スマホユーザであれば英語ニュースのアプリを利用しても良いですし、自宅のパソコンで閲覧しても良いでしょう。そして、大切なのは「辞書などを目の前に用意しておく」なのです。
2.わからない単語は後でまとめて調べる
「まぁ、後で調べたら良いか…」
自力でわからない単語があった時、このように考えますが、結局調べない時もありますよね。こうして英語勉強をやっている風になって結果身につかない訳です。
わからない単語はその場ですぐに調べる習慣がおすすめ
わからない単語や文法はその場で調べるという学習習慣を付けておきましょう。パソコンで英語の記事を読む場合は、別のブラウザでオンライン辞書を開いておくか、あるいは電子辞書などを用意しておくと便利です。
その場で調べるが習慣になれば、一度クセになると苦を感じることなく調べることが出来ます。同時に読解力と単語力の両方を鍛えることになります。
3.予習と復習をこなすだけでは身にならない
TOEICの講座を受講すると、講師から問題集が配布され、自宅で予習や復習をするようになります。この予習と復習にパワーを注ぎすぎるとどうしてもテスト用の英語力を鍛えることになってしまいます。
予習・復習・初見学習の3点セットがおすすめ勉強法
予習と復習に加えて初見学習を行うことで英語がしっかりと自分のものになります。
なぜなら、TOEICや英検では英語力だけでなく理論も勉強するという特徴があるので、実践で使える英語というレベルに自分を高めてこそ意味があるのです。
予習や復習が「理論を身に付ける作業」だとすれば、初見による学習こそ「使えるかどうかチェックする」という作業に相当します。
多少の出費にはなりますが、書籍でも「模試3回分」程度のボリュームで2000円くらいです。予習や復習と初見学習で英語理論を身に付け、初見による学習で「自分のレベルをチェックする」という2段階の学習が効果的なのです
しかも、初見による学習はやり込みすることで英語力のアップが見込めます。
4.予習を全くせずに授業を受けるのは損をする
英語講師をしていてわかることは、「予習してくる生徒さん」と「全くしてこない生徒さん」の2パターンに分かれます。もちろん、予習は生徒さんに強制できるものではありません。生徒さん自身の予定もあるでしょうし、会社員の方であれば、お仕事の関係で勉強時間を確保できないこともあるためです。
しかし、「面倒だからやらない」は非常にもったいない。たとえばプライベートレッスンの場合、予習を全くしてこなければ1レッスンで教えられる問題数も限られてきます。ゼロからのレッスンになるため、1つ1つを丁寧に教える必要があるためです。
予習をしてくると同じ授業でも吸収できる知識に差が出る
一方、予習をしている場合は、生徒さんの頭の中にすでに予備知識が入っています。つまり、「ここに関しては時間をかけて教える必要はない。なぜなら、すでに理解しているから」となるため、1レッスンで消化できる問題数に大きな差が生まれてしまうんですよ。
たとえばTOEICのパート5を教えている場合、予習なしの生徒さんでは、少ない方で1レッスンに「7~10問程度」が精一杯です。しかし、同じ生徒さんでも予習をしている場合は倍以上もの問題数を消化できるのです。
つまり、同じレッスン料を支払いながら「費用対効果は2倍」となり得しかありません。
英語のレッスンは、物理的に存在している商品を売っているわけではありません。講師の知識を売る商売です。
物理的な原価は存在しないため、「どれだけ売っても一緒」となるのです。別の言葉で言いかえれば、「英語のレッスンは食べ放題のレストラン」と同じです。ならば、お腹一杯に食べた方が得だと思いませんか?
5.英作学習に添削する人がいないのはおかしい
英語の勉強方法の1つに英作練習があります。日本語の短文を英語の文章に訳す作業ですが、「単語力+文法力」の両方を鍛えるに極めて効果的な方法だと言えます。
しかも「単語を覚えるのではなく、覚えた単語を使いこなす」という作業であるため、「単語の意味しか理解していない(使えない)」というデメリットを解消する効果もあります。
英作学習に添削する人が必要不可欠な理由
そのため、私はスカイプなどを使い、オンラインで英作のレッスンを行っているのですが、英作練習をする場合は、必ず「添削してくれる人」を確保しておきましょう。
添削(てんさく)は、自分では間違っていることとあっていることがわからない英作学習には必要不可欠。英語を作ってもチェックしてくれる人がいなければ意味がない、ぐらいいえます。
添削する人がいない限りただの自己満足学習になってしまうんです。自己満足的な勉強は「やった気分」にはなれますが、レベルアップすることはありません。
ネット上で「英語 添削」などと検索してみましょう。最近では英作練習の需要が高まっていることもあり、オンラインや郵送で添削サービスを展開する企業が多く出てきています。
ちなみに、「どの添削サービスを受けるべきか…?」で悩まれる方も多いと思いますが、その場合は「無料体験」などで複数のサービスに応募しておきましょう。その中から、今の自分のレベルで「最も説得力を感じるサービス」を選んでおけばOKですよ。
6.洋画の翻訳は英語学習にはNO
身近な英語学習として、映画の字幕を楽しみながら勉強するという方も多いと思いますが、翻訳家の特徴や英語のセリフの尺(長さ)に合うよう、日本語が意訳されていますし、自然な日本語になるよう、日本語のセリフと英語のセリフの順番が逆になっているということが多々あります。
日本語は「理由→結果」で話す習慣があります。
「風邪をひいたので(理由)、学校を休みます(結果)」という感じですね。
一方、自然な英語ではこの順番が逆になるのです。
「学校を休みます。なぜなら風邪をひいたので」という感じでしょう。
このような「自然な言語」として辻褄(つじつま)を合わせるため、英語のセリフの意味にドンピシャに合う日本語字幕が付いているとは限りません。
さらに、「ビジネスはもちろん、プライベートでも使うべきではないスラング」も出てくるため、そのまま覚えれば「無意識のうちにマナー違反を犯す」という危険もあるでしょう。
なぜなら、私たちはその英語が「使うべきではない表現」かどうか分かりません。聞いたことをそのまま覚えているだけなのです。しかし、それはこちらの事情であり、その英語を聞いた(見た)英語ネイティブは嫌な思いをすることになります。特にビジネスにおいては危険と言えますね。
このように、洋画を見ることは良いのですが、聞いたり見たりしたことをそのまま覚え、使うことには危険が伴います。そのことを理解した上で、洋画を楽しむようにして下さい。
実際、洋画をメインに英語を勉強した生徒さんを担当したことがありますが、ラッパーが使うような「ヨーヨー英語」で固まっており、それを直すのに苦労したことがあります。
7.日本人特有のわかったフリ
講師としてよく経験するのですが、生徒さんの中に「気を使う人」も多くおられます。まぁ、日本人らしい優しさかもしれませんが、レッスンではもっと「ガツガツ食いついてくる」ということも大切です。
というのも、「はい!はい!」と返事は良いのですが、「じつは理解していない…」という方が非常に多いのです。グループレッスンであれば他の生徒さんもいるため、レッスン中に自分だけ質問することは難しいかもしれません。
しかし、プライベートレッスンであるにもかかわらず、「分かったフリ」をしているんですね。
さらにその場では理解しても、「頭に入ってきた情報を上手く整理できていない」という生徒さんも非常に多いのです。
せっかくレッスンを受けるからには、「教えられたことを完璧に理解する」ということが大切です。その方がレッスン料を支払う価値もありますし、「レッスンを受ける→理解していない」ではお金をドブに捨てているようなものですから。
わからないことはその都度聞いてください
一方、「ガツガツ食いついてくる生徒さん」の場合、「おやっ?今のは理解に難しいぞ…」と感じた瞬間、「先生!もう1回説明して!」と言ってきます。講師としてはとても助かりますね。生徒さんが理解していない部分を把握するのも講師の仕事の1つですが、上手く分かったフリをされると見抜くことが出来ないのです。
ところが、ガツガツ系の生徒さんの場合、「先生!ちょっと待って下さい!今のノートに書きますから!」や「先生!ちょっと聞いて!今のを自分の言葉で言ってみますから!」などと言ってくるため、レッスンを受けてインプットした情報を、その場で整理することになるのです。
そこで、私がレッスンをする場合、時々「じゃあ、今のを自分の言葉でもう一度説明して下さい!」と生徒さんに言います。すると、情報を整理できていない生徒さんの場合、ちょっとした情報でも自分の言葉で言えず、その場で黙り込んでしまうのです。
その場合は何度もヒントを出しながら自分の言葉で説明させ、完璧に説明できるようになるまで何度も繰り返します。
時間のかかる作業ですし、毎回これをやっているとなかなかレッスンが前に進みません。しかし、理解もせずに前に進むほど、お金を無駄に支払うことはありません。
ならば進むスピードが遅くても、「一歩一歩、確実に」を私は大切にしているのです。
皆さんも、レッスンや独学で勉強した場合、その日に勉強したことの概要や重要な部分を自分の言葉で復唱するようにして下さい。
まとめ
いかがでしょうか?単純な勉強方法だけでなく、「物の考え方」や「レッスンを受ける場合の注意点」など、いくつかの点を解説してきました。
上記のどれか1つでも良いので、「なるほど~!それは盲点だった!」と実感して頂ければ幸いです。そして、ぜひその盲点を今後の皆さんの学習に役立て、効率良く上達することを目指して下さい!
コメント